Studyplus Engineering Blog

スタディプラスの開発者が発信するブログ

buildersconに行ってきた

スタディプラスCTOの島田です。 今回は9/6~8に開催されたbuilderscon tokyo 2018へ行ってきた感想を書きます。

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最初に

buildersconとは

buildersconは、「知らなかった、を聞く」をテーマとした技術を愛する全てのギーク達のお祭りです

という趣旨のもと、インフラ・IoT・サーバー・デザイン・etcと本当に幅広いジャンルのセッションが聞けます。

builderscon.io

スタディプラスは今回スポンサーとして協賛をさせて頂きました。 ノベルティグッズとしてペンと付箋を提供しました。

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当日は私を含め3名(島田、石上、田口)でbuildersconに行ってきました。 どのセッションも大変興味深かったのですが、その中でもこの3名のがそれぞれ特に印象に残ったセッションの感想を書かせてもらいます。

島田

IoT開発の闇

SNS等でのシェア禁止の内容という事で詳細は触れられないのですが、闇(笑)を物凄く堪能できました。これだけで前夜祭行って良かったかも。

パスワードレスなユーザー認証時代を迎えるためにサービス開発者がしなければならないこと

speakerdeck.com

パスワード認証の現状は、色々と漏洩リクスがあり課題・問題ありという整理に共感。 ではパスワードレスを実現するための最新動向はどうなっているかという点での、FIDO 2.0、WebAuthn APIの紹介にまだまだ普及への時間がかかりそうだが、未来を感じた。

「Web とは何か?」 - あるいは「Web を Web たらしめるものは何か?」

Webの黎明期の動向から丁寧に説明があり、Webに関わる人の視点から、どうWebが変化したが整理されていた。 そして、今後のWebがOSに近づいていくのでは、という流れが秀逸。

石上

ForSchool事業部の石上です。 私は普段ウェブアプリケーションのエンジニアなので、それに関連ありそうな発表を中心に聞いてきました。

個人的に1日目、2日目でそれぞれ特に面白かったのは以下の発表です。

Electronによるアプリケーション開発事情2018

ElectronベースのMastodonクライアントWhalebirdを個人で開発されているh3potetoさんの発表。 趣味でここまでできるのすごい...。

リリース直後はElectron製ということで評判が悪かったそうですが、原因を調べてパフォーマンスの問題を解決したりして、今では多くの人に快適に使ってもらえているそうです。

こちらの発表では、実装面でのSwiftでiOSアプリを開発していたときとの比較があり、勉強になりました。

私はiOSのことを全然知らないので、なんとなくSwiftのほうがGUI設計の考え方は進んでるんだろうなくらいに思っていました。 そのため、Fluxを使えることがElectron選択のメリットとなることに少し驚きました。

一方で、TootのStreamingによる描画パフォーマンスの劣化の話では、iOSのUITableViewの描画の最適化みたいなところは便利にできてるんだなと感心しました。

その他もMac App Storeへの配布周りのつらみなど、お試しデモアプリだけ作っていては出てこないような問題について聴けて貴重でした。

デザイナーとうまく協働する方法

buildersconの中では異色な、デザインをつくる際のコミュニケーションについての発表でした。 偉い人の意見を優先してしまう、あるいはデザイナーの作ったものを無条件で正しいとしてしまったりせず、論理的にデザインを作っていく方法について話されていました。

「よい」というニュアンスを自分の中ではなく組織内で共有するためのプロセスが必要で、それに基づいてデザインの評価は行われるべき。そうでないと、デザインがセンスや好みだったり偉い人が決めるみたいな状況になってしまう。そうならないように、徹底した言語化と文書化が必要という話でした。

普段開発ばかりしていると、ドキュメントをあくまでも補助的な、「あったらいいよね」くらいのものとして考えてしまいがちです(少なくとも私はそうでした)。しかし、こちらの発表を聞いて、ドキュメントは議論のベースに使ったり手戻りを防ぐための重要なツールであると認識することができました。

田口

1日目、2日目それぞれで自分が良いと思ったセッションの感想を書きます。

1日目: ブロックチェーン(DApp)で作る世界を変える分散型ゲームの世界

speakerdeck.com

この発表は、発表者の緒方さんご自身がブロックチェーンを用いて作っているゲームの説明を元に、分散型ゲームの世界を解説していくというものでした。 発表が丁寧でわかりやすい説明だったので、ブロックチェーンをほとんど知らない自分はとても助かりました。

ブロックチェーンは様々な分野で活用される可能性がありますが、まだまだ実験段階のようで、現在は主に「投資」の面で利用されていることが多いそうです。 そんな中、「投資」ではなく「利用」に重きを置いたブロックチェーンの活用という点で、ブロックチェーンを利用した様々なゲームが紹介されていました。 発表内では、ブロックチェーンゲームの特徴として ・ゲーム内で購入や投資したものが資産になる可能性がある ・セキュアで公平な取引 ・「トークンエコノミー」と呼ばれるトークンの互換性 の三つが挙げらています。 個人的には特に三つ目のトークンエコノミーが気になります。価値をトークンに落とし込むことで、様々なものに応用できそうです。 シームレスな接続のために規格が統一されてきているそうなので、今後が楽しみです。

2日目: RDB THE Right Way ~壮大なるRDBリファクタリング物語~

speakerdeck.com

普段自分たちが利用しているRDBの設計・リファクタリングをどのようにやっていくかという発表でした。 アンケートシステムの回答を保存するという具体的な例を元に、どのような罠があり、どう対応していくかが明確でわかりやすかったです。

データベースで扱うのは「データ」、アプリケーションで扱うのは「情報」であり、どのようにデータを保存するかを設計する「データ設計」と、データをどのように加工・利用するかを設計する「情報設計」を、まずそもそも認識できていなかったなと反省しました。 情報を優先してデータ設計をするとデータに矛盾が生まれるので、まずはモデリングをしっかり行うことも常に念頭に置いていこうと思います。 Entityの定義やそれの関連付けなど、とても勉強になることばかりでした。 そーだいさんが紹介されていたSQLアンチパターンの本をしっかり読もうと思います。

最後に

3名とも初めて参加したのですが、どのセッション大変面白く是非とも来年も参加をしたいと思います!

記念撮影ブースで石上、田口が撮影してもらった素敵な写真をあげておきます。

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