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インフラエンジニアがオフィス移転で考えたこと[前編]

初めまして、インフラエンジニアの菅原です。

弊社では事業拡大に伴うオフィス移転を予定しております。
インフラエンジニアとして社内ネットワーク移設について検討したことを移転前と移転後の2回に分けてまとめたいと思います。

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まだ何も物が入っていないまっさらなオフィスの写真です。結構広い!
移転は年末になり、現在は移転準備をしている最中となります。

移転前に検討するべき項目

1.移転後の要件

まず、移転後の社内ネットワークデザインを決める基礎となる情報を収集しました。

  • 社内ネットワークの利用ユーザー数
    弊社では事業拡大も視野に入れて50人~200人規模の利用ユーザー数を想定しました。
    それだけでなく、イベント時はゲストも繋げるため最大200人の同時接続を許容する必要がありました。

  • ネットワーク接続する端末の台数
    アプリの検証端末などもあるため利用ユーザー数+αの接続が見込まれます。接続数には余裕を持たせたほうが良さそうでした。

  • オフィスのレイアウト
    今回は内装業者さんに座席の位置やパーティション等の図面を早い段階で頂いたため、そちらを基にルーターの設置場所、無線アクセスポイントの配置について検討することにしました。

  • オフィスで行う業務
    一般的な事務、カスタマーサポート、WEBアプリ開発がオフィス業務の中心になります。
    AWSとGCPを利用しているため、サーバーの移設については今回検討不要でした。
    オフィス向けプリンター・複合機は現在利用しているものを利用します。

2.現状の確認

現状どのような業者と契約しているか、どのような機器を利用しているかを把握し、移転後も使い続けるのかを確認する必要があります。今回は以下の現状について確認しました。

  • ISP(インターネットサービスプロバイダ)と光回線業者
    過去の経緯からIP電話とインターネット回線を別々の業者と契約している状況でした。こちらを一つにまとめられないか検討しました。しかし、変更してもランニングコストは変わらなかったため、現状のプランのまま移転することにしました。

  • ネットワーク機器とその設定
    ルーター、無線アクセスポイントについて設定内容を確認しました。現状では接続先アクセスポイントによって回線速度が遅いと感じていました。こちらも移転に伴って変更を検討しました。

  • 現状の回線速度
    引越し後の回線速度とも比較を行いたいため、測定しておきます。ツールは「Speedtest by Ookla」を 利用しました。

  • 固定IPが使われている箇所
    社内ツールなどは固定IPでアクセス制限を行なっている箇所があったため、設定を洗い出しました。
    移転に伴って設定を書き換える必要があります。

3.障害・災害時の検討

SLOによって変わってくるとは思いますが、機器の故障に寄る障害にも強い構成を検討するべきでしょう。
今回の移転ではSPOF(単一障害点)になりうる部分をできるだけ排除し、ネットワークの可用性を向上させることにしました。
具体的には現状ルーターが1つしかないので、機器の故障に備えてもう一つ購入し、多重化することにしました。 業者の保険に入ることで故障時の対策とすることもできましたが、ルーターを2つ購入して設置しておくことで、素早く復旧できると考えたからです。

4.スケジュールの策定

ネットワークの動作確認を考えると、移転の1週間前までには移転先でのネットワーク設定作業を終えていたいと考えました。オフィス移転の前日や前々日がネットワーク移転の作業日になるケースは多いと思います。そうするとスケジュールに余裕がなく、もしもの時に対応できません。
こうした要件を満たしたい場合に問題となってくるのが光回線業者の作業です。 「移転」で依頼した場合は工事作業日が前日や前々日になってしまします。しかし、「新規」で契約し直すことで現オフィスと平行契約期間を設けることができます。これで1週間前に動作確認ができるようにしました。

5.移設後のネットワークの構成と機器を検討

  • ルーター
    現状使っているルーターが故障した時のために同じものをもう1台購入することにしました。
    移転後のオフィスでは利用者が増えるためルータのNAPTテーブルエントリ数(IPマスカレードエントリ数)は購入前に確認しました。 PC1台に対して50〜200程度あれば十分だと思います。
    スループットも重要な確認ポイントになります。 こちらが低いと回線速度を遅く感じられてしまいます。 大雑把ですが、実測値で1Gbps以上出るものを選ぶと良いと思われます。

  • 無線アクセスポイント
    移転前のオフィスでは無線アクセスポイントが2つしかなく、接続先によっては遅く感じられました。
    そのため、移転先のオフィスでは無線アクセスポイントを5つに増やすことにしました。 天井に設置し、電波の強い範囲が被るようにする予定です。
    これでインターネット回線が遅いと言われないようになって欲しいです(願望)。

まとめ

今回はオフィス移転前に社内ネットワークについて検討したことを中心にまとめました。
社内要件を行い、業者さんとコミュニケーションを取りながら移転に向けて準備を進めております。
次回は移転後の話を記事にしたいと思います。

弊社では新しいオフィスで一緒に働いてくれる仲間を募集しております!
ご応募お待ちしております!!