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Kubernetes輪講会を開催しました

こんにちは、Studyplus事業部 サーバーサイドエンジニアの葉坂です。

以前弊社の「Kubernetesを本番導入しました」という記事でも紹介していますが、スタディプラスでは2020年9月にKubernetes本番導入を果たしました。

tech.studyplus.co.jp

それに伴いサーバーチームもKubernetesでの運用をしていく上で必要な知見を高められるようSREチームと合同でKubernetes輪講会を開催しました。今回はこの輪講会について紹介したいと思います。

はじめに

輪講とは一般的に、

「一つの書物の範囲を決め、その範囲の担当者が事前に内容を調べて、参加者に対して説明をする」

というものです。

そもそもなぜ輪講会形式にしたのか

当初はSREチームの有識者による講義形式の開催も検討されていましたが、講義形式だと理解が浅くなってしまうことも多いので、輪講会形式で開催されました。

そうすることで担当者は担った範囲に関して、最低限人に説明できるレベルにまで理解を深める必要が出てきます。実際、「Kubernetesはコンテナ・オーケストレーション・ツールのあれだな」くらいの知識しかなかった私でも、人に説明できるレベルにまで理解を深められました。

使用した参考書

輪講会では、「Kubernetes完全ガイド」を使用しました。Kubernetesは本体の技術要素が膨大かつ、周辺のエコシステムも充実しているため、学習コストはかなり高いように感じるかと思います。

ですが、「Kubernetes完全ガイド」は網羅性が高く、マニフェストのサンプルも充実しています。記載内容のレベルも全般的に一段深いため、Kubernetesだけでなくインフラ周りの知見に乏しい私でも非常に分かりやすい参考書に感じました。 book.impress.co.jp

また GitHub にも、「Kubernetes完全ガイド」で紹介されているマニフェストが公開されているため、試したり写経したりと無限に学ぶことができます。 github.com

運営ポリシー

進め方

  • 事前に範囲と担当者を決める。
  • 担当者は範囲を事前に調べておき、当日参加者が内容を理解できるように説明をする。
    • 説明の仕方は担当者に委ねる。スライド を作ったり、ホワイトボードに書いて説明したり、口頭で済ます等々。
    • 本に書いてあることを全て説明する必要はなく、自分で重要だと思うポイントをピックアップし説明するのでもよい。
    • 担当者が内容を調べる際、不明点やうまくいかない部分があれば slack で質問を投げる。
  • 参加者は事前に範囲を読み、当日に疑問点を担当者に聞いたり、参加者同士でディスカッションを行う。

上記のような流れで輪講会を開催しました。

ちなみに輪講会の準備に関しては業務に関係のあることなので、業務時間内に行っています。

Kubernetes環境

Kubernetesのほとんどの機能は試せるため、簡単にローカルKubernetes環境を構築できる「minikube」を使用しました。ただ、マルチノードクラスタの作成時は「kind」を使用しました。

参加人数

5人(サーバーサイドエンジニアとSREの全員)で開催しました。

開催場所

Zoomで開催しました。

開催回数

週1回、業務時間内で1時間半の枠を確保し、全9回に分けて開催しました。

ちなみに

現在はKubernetes輪講会の開催枠で、もくもく会形式のGolang勉強会を行っています。それはサーバーチームが担当している10あるマイクロサービスのうち1つがGolangで書かれていることや、今後新たなマイクロサービス作成の際の言語の選択肢を増やすためです。

輪講会に参加して分かったメリット

実際に開催してみると、冒頭にて説明した以外にも、輪講会形式には下記のような様々なメリットがあることがわかりました。

  • 分担し合うことで、独学では時間のかかる内容&ボリュームの書籍でも、メンバーの助けを借りて理解することができた。
  • 自分の担当範囲に関しては、内容の説明だけでなく質問を受けた際も想定し疑問点を潰していくため知識も増えた。
  • 参加者への伝え方を考える上で、資料構成や表現方法、アウトプット手法の学びにも繋がった。
  • 同じ内容からでも、自分とは違う解釈を知れたり、そこから派生した知見共有があったりと、独学や講義形式で知識を受けるよりも学びの幅がかなり広がった。

Kubernetesを学んでみて

私がインフラ周りの知見に乏しいこともあり、初めはKubernetesに対してかなり苦手意識がありました。ただ、実際学んでみると、ServiceとIngressの理解には苦しめられましたが、Kubernetesに登場する概念が多いだけで、1つ1つ丁寧に学んでいけば、そこまで難しいと感じることはありませんでした。今では、弊社で運用しているKubernetesマニフェストを難なく読むことができるくらいに成長しました。輪講会様様です。

さいごに

輪講会は開催してみると良いことずくめでした。 題材書籍への学習意欲向上、吸い上げた知識のアウトプット方法の学び、メンバーとの盛んなコミュニケーション等々…。

特に、昨今コロナでのリモートワークが増え、メンバー同士のコミュニケーションが減っていることに懸念や一抹の寂しさを感じている方に大変オススメです。

興味のある方は是非、輪講会を開催してみてはいかがでしょうか!!